相見積もりの前に、困りごとを自分の言葉で書いておく
書いた人: 服部健太(一宮ではかぜ整体院を経営)
ホームページを作り直そうか。予約の受け方を変えようか。そう決めて、何社かに話を聞いてみる。どこも感じがよくて、説明も丁寧です。
一社目の話を聞くと、それが必要な気がしてくる。二社目で別の機能を見せられると、今度はそっちも欲しくなる。三社目が終わるころには、最初に何に困っていたのか、少しぼやけています。
手元に残るのは、書き方のばらばらな見積書が三枚。結局いちばん安いものか、いちばん話しやすかった担当さんで決める。そういう選び方に落ち着きがちです。
物差しを、相手から借りてしまっている
提案がまとまらないのは、判断力の問題ではないはずです。比べるための物差しを、話を聞いた相手から借りてしまっている。
制作会社は制作の言葉で、システムの会社はシステムの言葉で、こちらの困りごとを言い直してくれます。言い直された時点で、話はそれぞれの得意な形に寄っていく。悪気はありません。誰が聞いてもそうなります。
私もいまは提案する側に立つことがあります。先にお店の方の言葉で困りごとを聞けたときほど、話がずれずに進む。こちらの言葉でまとめてしまうと、あとから「そういうことじゃなかった」が出てきます。
だから声をかける前に、自分の言葉で書いた紙を一枚持っておく。同じ紙をどの会社にも見せれば、比べる土俵がそろいます。
今日からできる最初の一歩
コツは②で機能の名前を書かないことです。「予約システムが欲しい」と書くと、比べるのは予約システムの機能表になる。「夜の電話を翌朝に持ち越さない」と書いておけば、電話の転送で済む話なのか、仕組みを入れる話なのか、そこから考えてもらえます。
③も地味に効きます。変えたくないことが先に分かっていれば、提案のほうが寄ってきてくれる。書いていないと、全部入れ替える案が出てきやすい。
- ① 困っている場面を三つ、いつ・どこで・誰が、の形で書く(例: 夜の予約電話に出られず、翌朝かけ直している)
- ② それぞれに「どうなったら困らないか」を一行で添える。機能の名前は書かず、状態で書く
- ③ 変えたくないことも書いておく。いまのお客様への連絡手段や、スタッフが慣れている手順など
- ④ 話を聞く会社には、最初にこの紙を渡して「この三つにどう応えますか」と聞く
入り口の先へ
書いた紙を眺めても、どの困りごとから手をつけるか、そもそも外に頼む話なのかは、お店ごとに違います。AIを少し使えば自分で片付くものが混ざっていることも、珍しくありません。
20分の無料AI診断では、この紙をもとに、頼む前に自分で試せることと、見積もりを取る価値があることを分けるところから一緒にやっています。紙がまだ白紙なら、その場で書き出すところからで大丈夫です。