効いていない集客を、やめられない理由
書いた人: 服部健太(一宮で整体院と喫茶店を経営)
チラシも配っている。ポータルサイトにも載せている。SNSも、途切れながらではあるけれど続けている。それなのに来月の予約表を見ると、去年とあまり変わらない。こういう状態で相談をいただくと、話はたいてい「次に何を足すか」から始まります。
私も同じでした。うまくいっていないときほど、まだやっていないことのほうに目がいきます。足せば何かが変わる気がするし、やめるのは負けを認めるようで気が重い。そうやって続けている施策が少しずつ増えて、しまいには、どれにどれだけ手をかけているのかも分からなくなっていました。
ただ、店主が使える時間には限りがあります。増やし続けられるものではないんですよね。伸ばしたいときこそ、減らす話から入ったほうが早いことが多いです。
やめられないのは、材料が手元に無いから
やめる判断ができないのは、思い切りが足りないからではないと思っています。判断に使える材料が無いだけです。
「そのチラシ、効いていますか」と聞くと、多くの店主が少し言葉に詰まります。手応えとしては何となくある。でも、配った次の週に問い合わせが増えたのか、来てくれた人がそれを見て来たのか、そこは記録に残っていない。材料が無いまま判断しようとすると、人はいちばん怖くない選択をします。つまり、全部続ける、です。
だから最初にやることは、施策を減らすことではありません。いま動いているものを一覧にして、それぞれの結果が見える形にしておくこと。数字といっても、難しい分析の話ではないです。今月の新規のお客様は、どこを経由して来たのか。それが分かるだけで、次の会話がずいぶん変わります。
今日からできる最初の一歩
④で見つかったものを、いきなり捨てなくても大丈夫です。まずは止めてみて、翌月に何か変わるかを見る。戻せる形にしておけば、判断はぐっと軽くなります。AIを使うなら、③のメモをまとめて渡して、月ごとの内訳に整理してもらうくらいからで十分です。
- ① いま続けている集客を、思いつくまま紙に書き出す。止まっているものも、惰性で続いているものも全部。並べて眺めるところから始まります
- ② それぞれの横に、かかっている手間を「月に何時間くらいか」でざっくり書く。正確さはいりません。感覚で十分です
- ③ 新規のお客様に「何を見て来られましたか」と一言だけ聞いて、その場でメモする。予約の管理表の端でかまいません
- ④ ひと月ぶん溜まったら、①の一覧と突き合わせる。手間はかかっているのに、③に一度も名前が出てこないものが見つかります
入り口の先へ
この作業でいちばん効くのは、実は数字そのものではなく、それを誰かと一緒に見ることのほうです。ひとりで見ていると、続けたい施策には甘い点をつけてしまう。手間をかけた自分を否定したくないからで、意志の問題というより、人として自然な反応だと思っています。
私が伴走しているお店でも、やめる判断はたいてい、二人で同じ表を見ている時に決まりました。うちの整体院で新規が 月3名→12名(4倍・2026年5月実績)に動いたときも、効いたのは新しく始めたことより、手間の割に結果が出ていなかったものを外したことのほうでした。60分のAI活用診断では、まずこの一覧づくりを一緒にやっています。頭の中がぐちゃぐちゃのままの状態で来てもらって大丈夫です。