電話のメモが、毎回どこか足りない
書いた人: 服部健太(一宮ではかぜ整体院を経営)
施術に入っている間に電話が鳴って、受けてくれた人がメモを残してくれる。あとで見ると「◯◯さんからお電話ありました」とだけ書いてある。何時ごろだったのか、何の用だったのか、こちらからかけ直せばいいのか、向こうがまた掛け直すつもりなのか。何も分からないまま、番号を押すことになります。
かけ直したらかけ直したで、相手のほうが「さっきお伝えしたんですけど」という顔になる。伝わっていないのは、こちらの受け方の問題です。何度か続くと、電話を人に任せるのがだんだん怖くなってきます。
自分が人のためにメモを残すときも、同じことをしていました。走り書きの紙を渡して、あとで「これ何だっけ」と聞かれる。責める気になれないのは、自分にも覚えがあるからです。
抜けるのは注意力ではなく、書く欄が決まっていないから
白い紙を渡されて「電話の内容を書いておいて」と言われたとき、人はまず何を書けばいいかを考えます。受話器を持ったまま、相手が喋っている横で、それを考える余裕はありません。だから手が動く順に、名前だけ書いて終わります。
つまり足りていないのは注意ではなく、書く場所です。欄が印刷されていれば、埋めるだけになる。埋まっていない欄は、その場で相手に聞けます。「失礼ですが、折り返しでよろしいでしょうか」は、欄があるから出てくる言葉です。
欄の中身は、店によって変わります。予約の変更が多いところと、見積もりの問い合わせが多いところでは、聞いておきたいことが違うはずです。よそのお店の見本をそのまま借りると、埋まらない欄が残って、そのうち誰も使わなくなります。
ここでAIが少し役に立ちます。「うちに掛かってくる電話はだいたいこういう種類です」と並べて渡し、この電話を受けるときに聞いておいたほうがいいことは何か、と相談してみる。自分では当たり前すぎて言葉にしていなかった項目が、返ってきた中に混ざっていることがあります。溜まっている過去のメモをそのまま読ませて、共通して抜けているものを挙げてもらう手もあります。
出てきたものを全部入れる必要はありません。欄が多いと、埋めるのが仕事になってしまう。実際に受ける人が、受話器を持ちながら埋められる分量に削るところまでが、この作業だと思っています。
今日からできる最初の一歩
効いてくるのは④です。作ったときは全部いるように見えて、実際に使うと触られない欄が出てきます。それを残したままにすると、紙そのものが面倒なものになって、また走り書きに戻ります。
AIに項目を相談するなら②のあとがいいと思います。先に相談してしまうと、一般論の立派な様式が出てきて、自分の店の電話と噛み合いません。
- ① 手元にある直近の電話メモを集めて、かけ直すときに困ったものに印をつける
- ② 印のついたメモに共通して抜けているものを書き出す。だいたい「用件」と「折り返しの要不要」あたりに集まるはずです
- ③ その項目を欄にした紙を作って、電話の横に置く。手書きの罫線で十分です
- ④ 一週間使って、いつも空欄のままの項目は消す。埋まらない欄は要らない欄です
入り口の先へ
紙で回るようになったあと、それをスマホから入れられる形にしたほうがいいのか、紙のままがいいのかは、受ける人の年齢や、電話台の場所によって変わります。急いでデジタルにして、かえって使われなくなった例をいくつも見てきました。
20分の無料AI診断では、実際に溜まっているメモを見せてもらいながら、欄を決めるところまで一緒にやっています。人に電話を任せるのが怖い、という感覚があるなら、詰まっているのはたぶんこのあたりです。