同じことを聞いたのに、答えが違う
書いた人: 服部健太(一宮ではかぜ整体院を経営)
昨日うまくいったから、今日も同じように頼んでみる。ところが返ってきた文章は、昨日のものとは違う。言い回しも、並び順も、長さも変わっている。
「あれ、昨日のあれをもう一回出してほしいだけなんだけどな」と思いながら、もう一度打ち込む。今度は三つ目の別バージョンが出てくる。ここで多くの方が、うちの使い方が悪いのだろうかと考え込んでしまうようです。
私も同じでした。せっかくいい案内文ができたのに、翌週に同じことを頼んだら別物が出てきて、結局どちらを使えばいいのか分からなくなる。手元に残しておけばよかっただけの話なんですが、当時はそこに気づいていませんでした。
AIは、取り出す機械ではなく組み立てる機械
この揺れは、故障ではありません。AIは、昨日の答えをどこかにしまっておいて取り出してくるわけではないんです。頼まれるたびに、その場で一から文章を組み立てている。だから毎回、少しずつ形が変わります。
料理に近いかもしれません。同じ材料で同じ人が作っても、火加減や切り方でその日の一皿は微妙に違う。それと似たことが起きている、くらいに思っておくと腹が立ちません。
問題は、揺れて困る場面と、揺れたほうがありがたい場面が混ざっていることです。定休日の案内、料金の言い回し、体に負担がかかる方へのお断り書き。この手のものは、日によって表現が変わると困る。逆に、投稿のネタ出しや、キャッチコピーの言い換えは、毎回違うものが出てきたほうが得です。
同じ道具で両方をやろうとしているから、混乱するんですね。ここを分けてしまえば、揺れは急に扱いやすくなります。
今日からできる最初の一歩
効くのは②と③です。お手本を先に渡してしまうと、AIは一から組み立てずに済むので、返ってくるものが安定します。
貼っておくメモは、凝ったものでなくて構いません。私も、よく使う言い回しはスマホのメモに雑に並べているだけです。探せる場所にある、というのが大事なので。
- ① お店の文章のうち「毎回同じでないと困るもの」を、紙に書き出してみる。案内文、お断り書き、注意事項あたりが候補です
- ② 書き出したものは、AIに毎回考えさせない。すでにある文章をそのまま見せて「この形のまま、日付だけ変えて」と頼む
- ③ 気に入った答えが出たら、その場でメモアプリに貼っておく。次からは「これと同じ調子で」と添えて頼む
- ④ ネタ出しや言い換えは、揺れたまま使う。三つ出してもらって、一番しっくりくるものを自分で選ぶ
入り口の先へ
どの文章を固定して、どこを毎回考えさせるか。この線引きは、商売の中身によって変わります。お客様一人ひとりに合わせて書き分けたいお店もあれば、同じ案内をきちんと繰り返したいお店もある。
六十分のAI活用診断では、そのお店で実際に使っている文章を見せてもらいながら、固定する側と揺らす側に仕分けするところから始めています。うまくいった答えが手元に残っていないなら、まずはそこからでも。