AIが書いたもの、出す前にどこを見るか
書いた人: 服部健太(一宮ではかぜ整体院を経営)
AIに書いてもらった文章は、たいてい上手です。整っていて、読みやすくて、自分で書くよりよほど体裁がいい。だから、そのまま出したくなります。
私も一度やりました。お知らせ文をお願いして、いい感じだと思ってそのまま貼った。あとで読み返したら、うちがやっていないメニューの名前が一行だけ混ざっていました。指示を雑に出した私の落ち度ではあるのですが、あの一行は本当に自然な顔をしていました。
きれいな文章ほど、目が滑ります。誤字なら気づくのに、事実の間違いは素通りしてしまう。ここが厄介なところだと思っています。
AIは間違えるというより、もっともらしく埋める
以前、指示があいまいだと答えがズレるという話を書きました。今日はその先です。出てきたものを、どう点検するか。
AIは、知らないことを「知りません」と言わないことがあります。かわりに、ありそうな形で埋めてくる。世の中の平均的なお店ならこうだろう、という答えです。だから一般論の部分ほど正しく見えて、あなたの店だけの部分ほどあやしい。
裏を返すと、疑う場所は決まっています。AIが知りようのないところ、つまり自分しか知らないことです。
見るのは、この三つでいい
一つめは、固有の事実。店名の表記、営業時間、定休日、場所、メニューや施術の名前、日付。AIはこのあたりを、ためらわずに書きます。私の失敗もここでした。
二つめは、言い切りの強さ。AIの文章は語尾がはっきりしていて、読んでいて気持ちがいい。ただ、体のことや効果の話でその調子のまま出すと、言い過ぎになります。「〜と言われています」「人によって差があります」くらいまで自分の手で戻すと、落ち着くはずです。
三つめは、自分の声かどうか。声に出して読んでみて、普段お客さんに言わない言葉が混ざっていたら、そこを削る。「圧倒的な」「徹底的に」みたいな言葉は、私の口からは出てきません。出てこない言葉が並んだ文章は、読む人にも他人の文章に見えていると思います。
今日からできる最初の一歩
④は便利ですが、最後の砦にはしないほうがいいと思っています。自分の店のことを一番よく知っているのは、画面のこちら側です。
- ① 出す前に、固有名詞と数字だけを目で追う。文章として読まずに、店名・時間・日付・メニュー名だけを拾って、事実と合っているか確かめる。読み流し防止には、これが一番効きました
- ② 語尾を一段やわらげる。断定で終わっている行を探して、余白のある言い方に直す。健康や体の話はとくに、言い切らないほうが安全です
- ③ 声に出して読む。詰まったところ、照れくさかったところが、自分の言葉じゃないところ。そこだけ書き直せば十分です
- ④ AIに聞き返す。「この中で、事実確認が要る箇所を挙げて」と投げると、あやしい行を自分で挙げてきます。取りこぼしもあるので、①の代わりにはなりません
入り口の先へ
この点検、慣れると数分で終わります。むしろ、いちから書くより早い。AIを使うのが怖いという人の多くは、才能や相性の問題ではなく、出す前に見る場所が決まっていないだけなのかもしれません。
どこを重点的に見るかは、業種で変わります。体を扱う仕事なら表現の線引き、飲食ならアレルギーや原材料、教室まわりなら日程の書き方。20分の無料AI診断では、そのお店に合わせた点検の型を一枚にまとめて、持って帰ってもらっています。