SNS運用

SNSは、どれか一つに絞っていい

書いた人: 服部健太(一宮ではかぜ整体院を経営)

「インスタもやったほうがいいですよ」。そう言われて開いたアカウントが、いま何個あるでしょうか。私は数えるのが少し怖いです。

同業の集まりに出ると、たいてい誰かが最新の話をしてくれます。これからは動画だ、いや短い文章のほうが伸びる、地図の口コミが先だ。どれも間違ってはいないのだと思います。ただ、その全部を一人でやれる店主を、私は見たことがありません。

私自身、去年の春に同時にいくつも開いて、ひと月ほどで全部が止まりました。止まったアカウントが並んでいる画面は、けっこう気が滅入ります。

選ぶ軸は「流行っているか」ではない

どれをやるか決めるとき、伸びている場所を探しにいくと、たぶんまた増えます。伸びている場所は毎年変わるからです。

私が見るようになったのは、二つだけです。一つは、自分の手元に何が溜まるか。もう一つは、お客さんがどこから来ているか。

手元の話から先に。SNSはそれぞれ、求めてくる素材が違います。写真が要る場所、文章が要る場所、動きのある映像が要る場所。飲食店なら毎日料理の写真が自然に溜まりますが、私の整体院では、施術の様子を毎日撮るのは無理でした。かわりに、その日にお客さんから聞いた言葉や、説明に使った例えは頭の中に溜まっていく。だから文章のほうが続きました。続いた場所はフォロワー1,000人を超えて、続かなかった場所は今も止まったままです。才能の差ではなくて、素材が出る場所と出ない場所の差だったと思っています。

もう一つの、お客さんがどこから来ているか。これは思い込みが入りやすいところです。若い人向けの発信をがんばっていたのに、実際の新規のお客さんはご紹介と地図検索ばかりだった、という話はよく聞きます。私も自分の店で数えてみて、想像と違っていました。

今日からできる最初の一歩

④は、やらずに放置していた時期があります。古い営業時間が載ったままのアカウントを、お客さんが先に見つけていました。止めるなら、止めた形に整えてから止めたほうがいいようです。

  • ① 直近に来た新規のお客さんを思い出して、どこで知ったかを紙に書き出す。カルテや予約メモに「知ったきっかけ」の一行を足しておくと、来月からは思い出さなくて済みます
  • ② 自分の手元に自然に溜まるものを一つ選ぶ。写真か、言葉か、映像か。「がんばれば撮れる」ではなく「何もしなくても残っている」もので選ぶのがコツです
  • ③ ①と②が重なった場所を、当面の本命にする。重ならないときは②を優先していいと思います。誰も見ていない場所より、自分が続かない場所のほうが早く死にます
  • ④ 残りは消さずに置いておく。プロフィールと店名・営業時間だけ直して、案内先を本命に向けておく。更新は止めていても、名前で検索した人の道しるべにはなります

入り口の先へ

一つに絞ると、投稿が楽になる以上のことが起きます。同じ場所に同じ調子の言葉が積み上がるので、読んだ人が「この人はこういう人だ」と分かるようになる。分かってもらえたあとで、はじめて予約の話が届きます。

とはいえ、どこが本命かは店の場所や客層で変わります。20分の無料AI診断では、いま開いているアカウントを一緒に並べて、続けるもの・整えて置いておくもの・作らなくていいものに分けるところまでをやっています。増やす話をしない日のほうが、実は多いです。

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