ポータルサイトを、少しずつ卒業する順番
書いた人: 服部健太(一宮ではかぜ整体院を経営)
新規のお客様がどこから来ていますかと聞くと、「ほとんどポータルサイトです」と返ってくるお店は多いです。整体でも美容室でも飲食でも同じでした。掲載の条件が変わったという知らせが届くたび、なんとなく落ち着かない気持ちになる。それでも、翌月の更新はする。
私もそうでした。予約表の大半がそこ経由だと、抜けるという言葉に現実味がないんですよね。無くなったら来月どうするんだ、という不安のほうが先に立つ。実際、その不安は正しいと思います。受け皿が無いまま蛇口を閉めたら、本当に静かになります。
なのでこれは「やめましょう」という話ではありません。順番の話です。
借りている場所と、自分の場所
ポータルサイトは、初めての人と出会う場所としてはよくできています。困った人が最初に開くのはあそこですし、写真も口コミも整っている。そこを否定しても、あまり意味はないと思っています。
引っかかるのは、二度目も三度目も同じ道を通っていることのほうです。前に来てくれた人が、また同じ入り口から入ってくる。ずっと土地を借りたまま、常連さんのぶんまで通行料を払っているような状態になります。
だから最初にやるのは、掲載を外すことではありません。一度会えた人が、次は自分の場所へ戻ってこられる道をつくること。自分の場所というのは、ホームページと、公式LINEと、店の名前で検索したときに出てくる情報の一式のことです。ここが整っていない状態で掲載だけ止めると、たいてい半年で戻ることになります。
今日からできる最初の一歩
①から③は、どれも今週のうちに終わる作業です。②の文面やカードの下書きにAIを使うなら、「うちの店で、また来てくれた人に渡すカードの文章を、押しつけがましくならないように」くらいの頼み方で十分でしょう。出てきた文をそのまま使わず、自分の言い方に直すところまでが作業です。
- ① 二度目のお客様が、どこから予約を取っているかを確かめる。会計のときに「次はここからも取れますよ」と言えているか、自分の口で振り返ってみる
- ② 帰り際に渡すものに、自分の場所への行き先をひとつだけ載せる。名刺の裏でも、次回のご案内カードでもかまいません。あれこれ載せると誰も読みません
- ③ 自分のホームページに「予約する」の行き先を置く。当面はポータルのページに飛ばしても大丈夫です。まずは、店の名前で検索した人が迷子にならないことのほうが先です
- ④ ひと月たったら、自分の場所を経由した予約があったかを見る。ゼロでも落ち込まなくていいです。そこが出発点になります
入り口の先へ
この順番を飛ばした人を、何度か見てきました。掲載料の負担が重くなって、思い切って外して、三ヶ月後に静かに戻る。意志が弱いわけではなくて、受け皿を用意する前に蛇口を閉めただけです。逆に、自分の場所を整えてから比率をずらしていったお店は、掲載を続けたままでも手元に残るお金が変わっていきました。
うちの整体院も、いきなり抜けたわけではありません。先に戻ってこられる道をつくって、それから少しずつです。どこから手をつけるかはお店の業種と常連さんの割合で変わるので、ここから先は一律の正解が無いところだと思っています。20分の無料AI診断では、いまお店が持っている入り口を全部並べて、どれを自分の場所に寄せられるかを一緒に見ています。